鬼ブログ
先日のイベントで石徹白川水系の原種イワナのDNAタイプについて
文書が配られた。石徹白漁協増殖資源調査員の斉藤彰一さんによる
レポートである。
それによると、石徹白川水系の原種イワナのミトコンドリアDNA
のハプロタイプが解析され、「Hap-new36」と名づけられたらしい。
「ハッピーニュー36」みたいで、いい名称だ。
石徹白川の2支流で生息が確認されているそうだ。
Hap-new36はDNAハプロタイプ的には、今までどこにも見つかったことのない
固有種であることと、今回50匹以上の解析結果においてすべてが
同一タイプとわかり、石徹白川で太古より命をつないできた
在来イワナの原種固有体であることが中央水産研究所の
解析結果により判明した。
近年は、あちらこちらで知識不足のままの稚魚放流などで
全国的に混雑化が進み、このような原種個体群の生息地は
とても貴重だ。手遅れにならないよう、全国的な遺伝子
調査が進められているが、やはり、後手後手になっているのが
現状だ。
今後、解析が進むことでいままで不明だったイワナの分布や
進化の謎が解けてくるだろう、ワクワクするなぁ。
石徹白川は日本海に注ぐ九頭竜川の支流であり、従来の
棲み分け論からすればニッコウイワナと呼ばれるタイプの
生息域なのだが、Hap-new36は形態的にも一般のニッコウイワナ
とはかなり変わっていて、特に背中の白点の特徴はどちらかというと
木曽川などに生息するタイプと似通っていて、従来言われてきた
棲み分け論的にはこのタイプが生息してはならない地域なのだそうだ。
そのあたりの謎も遺伝子解析からわかってくるかもしれない。
判明した貴重なHap-new36の混雑を起こさないように、
それが今後のために守らなければならないこと。
キャッチ&リリースは、ここでも大切なポイントと言える。
コメント
“石徹白の岩魚” へ 2 件のコメントがあります。
“石徹白の岩魚” にコメントを残します。
6月 9th, 2013 @ 11:49 AM
たいへん興味深く読まさせていただきました。
「木曽川などに生息するイワナ」というヤマトイワナ系ということでしょうか?
昔から、「お隣の尾上郷川の支流のイワナ(放流のない川)も、ニッコウイワナというよりは、ヤマトイワナに似たイワナがいるなーーー」と思っておりました。
DNAが容易に調べられる世の中になったので、いろんな川のイワナのDNAを調べるといろんな発見がありそうですね。
6月 9th, 2013 @ 4:41 PM
そばがき様 そう、背中の白点がどちらかというと木曽川水系ににているということだけれど、まだまだこれだけでは
不明なのです。今回もまた行ってきましたよ?、んでスーパーハッチと遭遇! 尺がじゃんじゃん、面白
かった?。これから動画などのチェックです。でっかいのでたぞ?。