テンカラの鬼 榊原正巳 テンカラの世界

鬼ブログ

魚の視力

Posted on | 12月 8, 2014

前田義治(29歳)さんから質問をいただいた。

質問内容は、

「はじめまして。僕は普段ブラックバス、たまに親父と渓流にエサで釣りをしています。

質問なのですが、魚という生き物の視界はどう見えてるのかなと思い是非聞いてみたい

と思い質問させていただきました! 魚の視界はモノクロなのか、はたまた人間同様

カラフルに見えているのかという疑問がふと頭をよぎることがあるのです。

よろしくお願いいたします。」

面白いねぇ、そんな疑問をだれもが一度はもつと思います。

魚には、どう見えているのか。毛鉤族にとっては、永遠の疑問です。

科学的には、魚の目は白黒にしか見えなくて、ぼんやりしているとか、そんな

説もありますね。私は科学者ではないので、釣り人としての経験から感じることを

書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 あれは、岐阜の馬瀬川だったと思う。毛鉤をくわえたアマゴがジャンプした。

その時、空中でアマゴが俺を見た、目が合ったのだ。と、くわえていた毛鉤を

パッと離したことがある。忘れもしない、生涯一度の経験だ。

 

 こんな思い出もある。とある川に釣りに出かけたときのこと。林道から

川までは、30mもある。安心して歩いていた、もうすぐ釣りができるぞと、

足どりも軽く。と、上から川を見ていてウヨウヨ泳いでいた魚が突然、

パッと消えた。まだまだ川までは29m以上ある地点でだ。

私が来ることを察知したように、泳いでいた魚という魚が、岩の下に隠れて

しまったのだ。魚だけではない、鳥の声もやんだ。30mもあるのに、だよ。

私は音を立てて歩かないから、音ではない。俺を見たのか?

 

 

 

 

 

 

 このようなことは一度や二度じゃない。

こういう経験から考えると、彼らは周囲の動きにはとても敏感だ。

視界からか、振動からか、第六感からか、なにから察知するのかはわからないが、

恐ろしい俊敏さで反応することは確かだ。

 あと、子供のころから魚を観察し続けた熟練の釣り人たちは、

皆、同じような意見を持つ。 敵に対する反応、は機敏。

また、疑似餌の金とか銀とか、ギラギラした色、

赤とか濃いピンクとか、明度の濃いものには反応する。

これは、名のある釣り人は皆、言ってたことだ。

フライマンもルアーマンも、テンカラ師も、私もそう思う。

ということは。

 

目が合って毛鉤を話した経験、30m先を察知した経験、からすると、

かなり見えているのではないか、

と、感じるなぁ。カラーで見えるのかどうかは謎だが、

ある種の色が理解できているのには違いない。

 

 

 

 

 

 

 考え出すと不思議で、面白いね。夢がある。

皆さんは、どう思いますか?

 

だから、魚を釣ろうと思ったら、相手に察知されないよう

低い体勢で釣りをする、岩などで自分の姿を隠す、

音を立てずに静かに歩く、これが基本です。

前田さんも、餌ではなく毛鉤で釣りをしてみてください。

もっともっと魚が好きになりますよ。

 今年は雪が早いですね、この時期の渓流はどうなのか、

見に行ってみようかな、と思っています。

コメント

“魚の視力” にコメントを残します。





Copyright © 2012- Tenkara no Oni - Masami Skakibara - All Rights Reserved.

このサイト上の写真・動画・記事 すべての内容は、日本の著作権法ならびに国際条約により保護されています。無断転載を禁じます。同様に情報ベースサイトへの流用を固く禁じます。