証言2
イヴォン・シュイナードさんとの出会い
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古いブログをみていただければわかるが、2008年の8月に
アメリカ・ワイオミング州ジャクソン、イエローストーン国立
公園に、榊原正巳は釣りの旅に出かけた。釣り仲間(ほとんど
フライマン)と一緒で、カットスロート、ホワイトフィッシュ、
ブルックトラウト、ブラウントラウト、レインボートラウトな
どがバタバタ釣れた楽しい旅だったそうだ。その時、案内して
くれた日本人の方はイヴォンさんの知り合いで、榊原が来るこ
とを前もって彼に話していた。テンカラの鬼と呼ばれる釣りキ
チが来るよ、と。
到着するとしばらくして彼が来て、彼の別荘の前でテンカラ
談義が始まった。その時のイヴォンさんの印象は旧ブログに詳
しいが、ここでもう一度記しておくと、おだやかで知的、子供
のように純粋な表情を持つ紳士。そして、イヴォンさんに教え
てもらった情報から、バルセジアーナとのつきあいが始まり、
何度もイタリアへ行くことになった。
そしてなんと、当サイトへ書き下ろしの原稿もいただいた。
経済人でもあり、ベストセラーも出した文筆家としても際立つ
イヴォンさんが、原稿を書きおろしてくれた。喜びとともに、
驚きを隠せない。
? 実は、英語バージョンでは、今年の初めにはアップしていた。
翻訳、編集に時間がかかったことをお詫びしたい。自費でやっ
ているので、なかなか早くは進まない、申し訳ない。
イヴォンさんの考え方と榊原とが共通するのは、「いかなる道
も極めることは、シンプルな方法を追求することだと思う」とい
う点と、テンカラという日本の伝統釣法がいかに楽しく、シンプ
ルであり、お仕着せで情報過多の社会で暮らす現代人にこそ学ん
でほしいという点だ。
アメリカ人であるイヴォンさんは、やはりフライが混ざった
テンカラをするが、そういう彼がテンカラのどこに魅力を感じ
ているのか、また、アメリカのフライフィッシングの現状もよ
くわかる。
テンカラは、ポイントを自分の足で探すのも楽しみのうち。どの
テンカラ師たちも、渓流を歩きながら大物がいそうな場所を自分
の足で探すだろう。その姿勢は、古来から少しも変わっていない。
イヴォンさんに次に会う機会があれば、そのことを教えてあげたい
と榊原は言う。きっともっとテンカラを好きになるだろうと。