テンカラ釣りのマナー
渓流のマナー
登場人物
榊原正巳?????? 森の仙人
「ほい、久しぶりじゃの~」(仙人)?
?「おっと、びっくりした。これは仙人、今日もご機嫌ですね」(鬼)?
お元気そうですね
?「いやいや最近は森が少なくなってな、川も荒れてな、飲まずにはいられんのじゃよ」(仙人)
「まったく、申し訳ない。俺も微力ですががんばったんだけど・・・。」(鬼)
「おいおい、哀しい顔をするな。それでもまだまだ森には力があるからな。」(仙人)
「そうですか、それじゃあ仙人にもまた会えますね。」(鬼)
「会えるよ。しかし、最近は川で喧嘩をしている御仁を見かけるな」(仙人)
「何も考えず釣りさがったりして、上がってきた人とぶつかったんでしょう」(鬼)
「そうそう、そんな感じじゃったな」(仙人)
「俺が小さな頃は川を楽しむ御爺さんたちから教えられたものです。渓流は
上流へ釣り上がるのが基本。他のポイントから入っている人を慮る知恵ですよ。」(鬼)
「そうそう、沢割りといって、大勢が入っている川は、先に来た人やその川を
よく知っている人が優先して入渓場所を決めたんじゃな」(仙人)
「トラブルを回避するための、良い教えですよ。先人はすごい、と思います、俺は」(鬼)
「頭を切るな、というやつもあったな」(仙人)
「先行者のすぐ上に入ってはいけない、ということですね。頭をはねるともいうな」(鬼)
「せっかく森の近くに来たんじゃから、仲良く釣ってほしいからな、わしも」(仙人)
「先行者がいたら本当は500m~1kmぐらい離れてはいりたいですね」(鬼)
「そういえば、タヌキ爺が言っておったぞ。川に水を飲みに行くのも命がけじゃと。鉤でな、怪我をしたやつが多いんじゃよ」(仙人)
「ハリスが切れて毛鉤がついたまま捨ててあるんですね。引っかかって仕方なしに、と言う気持ちもわかるけど、引っかからないキャスティングをすればいいんだよ」(鬼)
「おっ、キャスティング。お前はいつでも、何度も何度もふっておったの」(仙人)
「今もふってますよ、相も変わらず。でもタヌキ爺が言ってたのなら、本当にラインの素材から考えないといかんですねぇ。自然にかえるような素材が開発されんかなぁ」(鬼)?
?「まあな、自然があってこその釣りじゃからな」(仙人)
「入漁券を買う、ゴミは捨てない、場を荒らさない、基本的なことは皆守るようになりましたけどねぇ」(鬼)
「今日は大きいのをかけたかな?」(仙人)
「いや、のんびりです」(鬼)
「そうか、わしはもう行くよ、また会おうな」(仙人)
ポン!!
?
(おっ、もういない、森の仙人に会えたから大きいのがでるかもな・・・)
そう思うテンカラの鬼であった。とある場所の山深い谷で、のんびりしたときのこと。
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